コメント
国重要文化財の3仏像、特に岬大仏をその目で見ていただきたいです。平安時代を代表する貴重な大仏です。
解説
852年(仁寿(にんじゅ)2)、第55代文徳天皇(もんとくてんのう)の命令により、慈覚大師(じかくだいし)円仁(えんにん)が創建したと伝えられています。寺の地形が唐(とう)(618~907年に成立した中国の王朝)の長安(ちょうあん)(中国の昔の都)にある大興善寺に似ていることから興善寺と名づけられました。本堂には平安時代末期作の仏像を含めて3体が置かれています。仏像には漆(うるし)を塗った上に金箔(きんぱく)が貼られています。1915年(大正4)、3体すべてが国の重要文化財に指定されました。本尊(ほんぞん)の大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)は、1120年(保安(ほうあん)1)につくられました。釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)は1093年(寛治(かんじ)7)につくられました。薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)の製作年代についてはよくわかっていません。1596年(文禄(ぶんろく)5)の大地震により破損した仏像を修理した記録が体内から出てきました。1570年(元亀(げんき)1)頃、戦争によって焼失、本尊は救い出され難を免れました。1690年頃(元禄(げんろく)初期)に再建されて現在にいたります。